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変わらない、人と地球への優しさ

ロングセラーのヤシノミ洗剤をはじめ、人と地球に優しいものづくりを続ける、自然派企業のサラヤ。1952年の創業より、目の前の暮らしだけでなく、常に時代を先取りし、人と自然が共存する豊かな社会の実現に貢献してきました。
キッチンに置かれる洗剤から、世界の環境を守る活動に至るまで、サラヤが大切にする変わらないものづくりの姿勢に込められた想いを伝えます。

毎日使うものから

お気に入りの作家さんの器に、誰かから譲り受けた大切な器。食卓の上には、いつも思い入れのあるものを並べたい。季節に合わせたおいしい料理を盛り付ければ、ついつい会話も弾みます。そんな楽しい時間の後に待っているのは、後片付け。大事な器を洗うために、毎日使っているその洗剤。あなたはどうやって選んでいますか? サラヤの食器用洗剤〈ヤシノミ洗剤〉は、半世紀近くにわたって多くの家庭で愛されてきました。その理由を探るべく、まずはヤシノミ洗剤が生まれた背景からみてみましょう。

1970年代、洗剤といえば安価で大量生産できる石油を原料としたものが主流でした。しかし、石油系洗剤の排水は非常に分解されにくく、全国の河川や湖沼で汚染を引き起こし、大きな社会問題となりました。そこで、創業から天然素材にこだわってきたサラヤは、もともと作っていた手洗い石鹸の植物原料である〝ヤシ油〟に着目し、業界に先駆けて環境への負担が少ない植物系食器用洗剤を開発。石油系原料を一切使用せず、植物性の洗浄成分のみで作られているので、排水後は微生物によって水と二酸化炭素にすばやく分解されて地球に還り、汚染の原因物質を残しません。エコロジーの意識がほとんどなかった時代に、こうしてヤシノミ洗剤は生まれました。

暮らしの中で選びたい〝優しさ〟

その誕生から、人と地球への優しさを追求してきたヤシノミ洗剤。汚れを落とす働きに欠かせない界面活性剤は、濃度を〝16%〟に。
洗剤としてはかなり低濃度の数字ですが、肌や環境への負担を考え、洗浄力とのバランスがいちばん取れた濃度にこだわりました。
さらに、洗浄に不要なものを入れない「無香料・無着色」を現在まで貫いています。原料臭や不純物をごまかさなければならない精製度の低い原料でなく、高い純度で精製された食品グレードの植物性原料を使用することで、無色透明の輝きを守ってきました。食べ物に直接ふれる食器類だけでなく、野菜の汚れを落とす時にも安心して使用することができます。

よくある容器のお腹を押し出して使うタイプのボトルでは、量の加減が難しく、洗剤を出しすぎてしまうこともしばしば。ヤシノミ洗剤は、一度に多くの洗剤を使わないよう、また、濡れた手でも注ぎ足しやすいポンプ式を採用。
シンクポケットに収まるサイズのうえ、清潔感がありシンプルなボトルは、キッチンにすっきり馴染みます。今では当たり前の詰め替えパックをキッチン用洗剤で初めて作ったのも、ヤシノミ洗剤です。

同じく植物性原料にこだわった〈ヤシノミ洗たく用洗剤〉〈ヤシノミ柔軟剤〉もラインナップ。暮らしの中で、自分たちにも地球にも優しい選択をしてみませんか。

YASHINOMI laundry seriesヤシノミの植物由来の優しさを洗濯にも
ともに無香料・無着色のヤシノミランドリーシリーズ。〈ヤシノミ洗たく洗剤〉は繊維に残りにくい植物性洗浄成分で、高い洗浄力と肌への優しさを両立。すすぎも1回で済み、節水や時短にも役立つ。〈ヤシノミ柔軟剤〉は、ふんわりなめらかな仕上がりとしっかりとした吸水性を実現。肌への刺激も残さない。

汚れをふき取る

フライパンやお皿などに落ちにくい油汚れがたくさん残っている場合は、新聞紙や古い布きれ、キッチンペーパーで汚れをふき取ってから洗いましょう。このひと手間で、排水による環境負荷を減らすことができます。

ため洗いをする

食器を洗う際には、洗い桶に張った水に洗剤を適量入れ、つけ置きしましょう。汚れが浮いて落ちやすくなるだけでなく、洗剤やすすぎ水の節約につながります。作業時間の短縮になるのも、忙しい毎日の中ではうれしいですね。

適量使って洗う

汚れの軽いものから順番に洗いましょう。ポンプ式で、濡れた手でのつぎ足しも簡単。大量の洗い物もスムーズです。ノズルの角度にまでこだわっているので、洗剤の飛び散りを防ぎ、無駄遣いになることがありません。

人と自然が共存できるものづくりを

日本から飛行機で約6時間の距離にある、同じアジア圏のボルネオ島。世界で3番目に面積が大きなその島は、多種多様な木々が密生する熱帯雨林で、数多くの動物たちを育んできました。しかし、この30年間で、ボルネオを取り巻く環境は大きく変化。島全体を覆う豊かな森は姿を消し、広大なアブラヤシのプランテーションが現れました。

アブラヤシの実から作られるのは、私たちの暮らしに欠かせない植物油「パーム油」。サラヤの製品の原料でもあります。その年間生産量は約6000万トン。世界で最も消費されている油です。約65万トンが日本に輸入され、そのうち8割がパンやチョコレートといった食用に、残りの2割が化粧品や石鹸などの非食用に使用されます。洗剤メーカーの中でも大きな企業でないサラヤが使う量はごくわずか。それでも、自分たちのものづくりの背景にある厳しい現実を知った彼らは、見過ごせない問題として、すぐさま調査員を派遣し、行動を起こしました。

失われた熱帯雨林を取り戻し、暮らしを奪われた動物たちを救うため、サラヤは2004年よりボルネオでの環境保全活動をスタート。現地の野生生物局と協力し、畑を荒らすことを恐れた住民に傷つけられたり、罠にかかってしまったゾウの救出・治療を行い、森へ返すプロジェクトや、環境保護団体であるボルネオ保全トラスト(BCT) の活動サポートを現在まで続けています。また、熱帯 雨林の伐採により、川を渡れなくなったオランウータンが移動できるように、使用済みの消防ホースで森をつなぐ吊り橋を設置した「命の吊り橋プロジェクト」もサラヤによるものです。

無秩序に作られたプランテーションのせいで起きる環境破壊。
森や動物のために遠回りの活動を続けるより、いっそパーム油を使うのをやめればいいのではないか。
そう思う人もいるかもしれません。
しかし、森を追われる動物たちがいる一方で、アブラヤシを育てる農園を営む住民をはじめ、パーム油で生計を立てる人々がいます。
そして、日本に住む私たちや、世 界中の人にとってもなくてはならない存在。その使用をやめても、大豆などの代替作物で同じことが起きるのは想像にたやすいことです。そこで、サラヤは日本の企業として初めて〈RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)〉に加盟し、ルールを守ったパーム油の生産を推進。世界初となる、環境と人権に配慮したRSPO認証油を自社製品に使用しました。ヤシノミシリーズもそのひとつです。
原料調達から製造、使用後の排水に至るまで一貫したものづくりの姿勢を貫くサラヤ。人と自然が共存する未来への架け橋になることを目指して、これからも私たちの暮らしに寄り添います。

1_パーム油の原産地、ボルネオ島。

熱帯雨林は川沿いにわずかに残るのみで、あとは全てプランテーション。

2_川を渡る野生のゾウの群れ。

3_農園で働く人々。

収穫したアブラヤシの実は、搾油工場に運び、抽出作業を行う。

4_枝から枝へ移動する絶滅危惧種のオランウータン。

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